ファインバブル産業会基本宣言
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「ファインバブル産業会基本宣言」 〜エビデンスベース産業への途〜
ファインバブル技術は日本発の革新的技術であり、その応用範囲は環境分野、ライフサイエンス分野、農業分野、インフラ分野、消費者製品等広範にわたり、将来的に日本を代表する基幹産業に発展するポテンシャルも有しています。
この様な大きな希望を共有する我々は、2012年7月23日に産学官連携のオールジャパン体制で、「ファインバブル産業会(FBIA: Fine Bubble Industries Association)」を設立し、活動を開始しました。
その後、ファインバブル技術は発生技術、計測技術に加え、幅広い応用分野で着実に開発が進み、市場も着々と形成されつつあります。
特に、最近、ファインバブル技術は、国連の提唱する「持続性ある革新目標(SDGs)」の多くの分野で目標達成の原動力になり得る技術であることも判明してきており、地域・人種を超えて世界の人々に革新的な貢献をもたらす技術としても、積極的に開発、実用化に取り組むべきであるとの認識も深めてきています。
これらの多様化する利用環境、利用分野でファインバブルの産業化を国際的に進めていくためには、国際標準化の実現とそれによる技術体系化や評価等の技術基盤の構築が不可欠と考えられます。
このため、FBIAは、経済産業省のトップスタンダード制度の活用で、国際標準化機構(ISO)での新TC(Technical Committee:専門委員会)設立を提案し、2013年6月のISO TMB(Technical Management Board)でTC281(ファインバブル技術)が設立されています。これを受け、FBIAでは、同TCへの参加国拡大や新規規格の提案を積極的に実施してきており、既に、10カ国近くの参加国を得ると共に、数多くのISOの規格を発行するに至っており、現在も引き続き、新規規格、関連文書の作成に取り組んでいます。
この様な標準化活動や技術開発活動と共に、FBIAでは健全な市場を形成していく活動も重要と考えています。
この中でも、ファインバブルの存在と効果を信頼性あるデータに基づき証明することは、市場でファインバブル製品・サービスを利用する人々、ファインバブル技術の移転を受ける人々に安心と導入動機を与え、市場の健全性を高めるものです。このため、市場にエビデンスベースでの情報を提供し、利用者の理解を得つつ信頼性を確保していくことは、ファインバブル技術普及の根幹をなすものです。
FBIAでは、これまで難しいとされていたウルトラファインバブルの存在を証明するための実用測定技術を確立することに成功し、いち早くそれを適用しつつあります。更にファインバブルが効果を及ぼす技術分野の開拓にも産学官の協力の下に取り組み、効果の評価法も順次確立しつつあります。これらの評価結果はエビデンスとなってファインバブルの存在と効果を客観的に説明するために利用する他、ファインバブル製品の評価結果に基づく製品性能の認証事業も開始しています。
同様に、用語の統一的使用もファインバブル技術の適正な普及には欠かせません。FBIAが提案、成立したISO規格では、ウルトラファインバブルを用語として定義しており、またその評価測定方法についても言及し、この用語使用の普及と適正化を図る共に、会員は率先して用語の利用を推進しています。
市場健全化の取り組みでは、これまで、ファインバブル技術利用の製品・サービスの不適切表示による市場での信頼性欠如に対して、FBIAは毅然として対処し、会員一丸となって信頼を与えるエビデンスを積み上げ、市場の健全化を図り、ファインバブルの広範な普及を目指しています。
近年、当初のBtoB製品の成長に加え、BtoC用ファインバブル製品が急速に市場化されつつあり、製品・サービスでのファインバブルの存在や効果の内容を国内外の消費者に科学的根拠を以てわかりやすく説明することがますます重要となってきています。
この様な環境変化にも対応して、FBIA及び会員はファインバブル製品の性能を客観的エビデンスに基づいて適切表示し、ファインバブルを信頼できるブランドとして確立すると共に、市場化、技術移転、広報を通じて技術の普及、認知度の向上、及び市場の拡大に誠心誠意取り組み、真の持続的革新の目標達成を目指します。
令和元年6月27日
ファインバブル産業会(FBIA)総会報告