ファインバブルの見つけ方
進化する計測技術で「見えない」泡が「見える」ようになりました。
ファインバブルにはとても小さく肉眼で見えない泡があるため、さまざまな可視化あるいは計測技術が工夫されています。
マイクロバブルは水中に多数あれば白濁します。水に色や濁りがなければ顕微鏡などを工夫すれば観察や計測ができます。
ウルトラファインバブルは水中に大量にあるときでも無色透明です。これは主なウルトラファインバブルのサイズが可視光線(肉眼で見える光)の波長よりも小さいため、ウルトラファインバブルに当たった光がほぼ散乱(ウルトラファインバブルに衝突して光が曲がる)せずに素通りし、見ている人の眼に届かないためです。
それでは、「見えない泡」であるウルトラファインバブルをどうやって「見える」ようにするのでしょうか?
レーザー光線を使ったウルトラファインバブルの「見える化」
左:ウルトラファインバブル(UFB)水
右:超純水
どちらも無色透明に見えますが、レーザー光線を当てるとウルトラファインバブル(UFB)水のほうはレーザー光線が浮かび上がります。
それはなぜでしょうか?
レーザー光を当てるとUFBの気泡によってレーザー光が散乱するため、その軌道を確認することができるようになるためです。
このように、近年では可視光線よりもっと波長が短いレーザー光線を使ったウルトラファインバブル計測技術が開発され、水中に漂うウルトラファインバブルの量や大きさを計測できるようになってきました。
計測技術の確立でファインバブル製品・サービスの信頼性評価も可能になりました。
ファインバブル産業会(FBIA)では、ファインバブルの性能関連の規格をつくり、それに基づきファインバブル製品・サービスの認証・登録をしています。このマークがついている製品、サービスは消費者に対して信頼性を保証しています。ファインバブルが「見える化」された「認証・登録マーク」をつけた製品・サービスで安心を。
ファインバブル産業会認証登録制度はこちら
ファインバブルを「見える化」するさまざまな測定方法があります。
近年用いられているファインバブルの測定法として以下のような測定方法があります。
透明な水中に浮遊するファインバブルの数濃度分布や直径を測るためには、ファインバブルにレーザー光線を照射し、ファインバブルからの散乱光を捕らえる方法が有力です
①粒子軌跡解析法(ウルトラファインバブル測定用)
ウルトラファインバブルの位置がわかる散乱光点の「動き」をビデオ画像で捕らえればウルトラファインバブルのブラウン運動速度がわかります。この速度はウルトラファインバブルのサイズに反比例するので、ビデオ解析によってウルトラファインバブルを計測します。
②動的光散乱法(ウルトラファインバブル測定用)
ウルトラファインバブルからの散乱光の「ゆらぎ」はウルトラファインバブルの大きさによって変わります。そこである特定方向に置かれたセンサーに届いた散乱光のゆらぎの速度を解析し、ウルトラファインバブルを計測します。
③レーザ回析・散乱法(ウルトラファインバブル/マイクロバブル測定用)
ファインバブルから発せられる回折・散乱光の「進む方向」はファインバブルの大きさによって変わります。そこでファインバブルを取り囲む多数のセンサーで、散乱光の進んだ方向を解析し、ファインバブルを計測します。
一般的に、ファインバブルだけでなく異物(ゴミなど)も同様に測定されるため、ファインバブル水中に含まれる異物の分析も注意深く行うことがとても重要です。
以下の④⑤および⑥の手法はレーザーの散乱以外を用いる方法で、そのうち⑤と⑥はファインバブルと異物を識別できる可能性があります。
④電気的検知帯法(マイクロバブル測定用)
マイクロバブルが分散している水溶液に電気伝導性があれば(食塩水など)有力な方法です。マイクロバブル水溶液を小さな孔(あな)に通過させます。このとき小さな孔の電気抵抗を測ります。小さな孔を電気伝導性の水溶液だけが通過したときより、マイクロバブル(気体なので電気を通さない)が通過した瞬間のみ電気抵抗が大きくなります。これを解析し、マイクロバブルを計測します。
⑤共振式質量測定法(ウルトラファインバブル/マイクロバブル(一部)測定法)
振動カンチレバー(非常に小さな振り子)を使う方法です。カンチレバーの振動数はカンチレバーの質量が変化すると変わります(振り子の原理)。カンチレバー内にはファインバブル水が通る流路があります。水のみが通るときより、水より密度が小さいファインバブルが混じった水が流れると、カンチレバー振動数が大きくなります。逆に水より重い固体粒子が混じれば、カンチレバー振動数は小さくなります。これを解析してファインバブル計測を行います。この方法は異物とファインバブルの識別に有力です。
⑥動的画像解析法(マイクロバブル測定用)
マイクロバブルを含む水が透明なガラスセルを通過するとき、顕微鏡で撮影したビデオ画像を記録します。その画像を解析してマイクロバブルの大きさと個数を求めます。形状からマイクロバブル(球形)と異物を識別することができます。
ファインバブル分散媒体の気泡径測定に適用できる粒子径分布の各種測定原理と測定範囲