ファインバブルの作用と活用
ファインバブルを活用すれば、さまざまな分野に応用でき、地球環境にも貢献します。
ファインバブルは大きな気泡にくらべて有用な性質を持っています。これらの作用を活用すると、これまで使っていた薬品や化学物質の使用量を減らし、地球環境浄化や地球資源消費削減への貢献が期待できます。
ファインバブルの持つ作用はファインバブルの大きさや数濃度、気泡内のガス成分、気泡を取り囲む液体の成分、使用するときの条件(温度、圧力、刺激など)によって変化します。下記に大まかに分類しています。
ファインバブル(マイクロバブルとウルトラファインバブル両方)特有の作用
<界面活性作用>
- 表面の帯電……pHが5~6以上の水(通常の水)中で気泡表面がマイナスに帯電する
- 表面吸着……気泡表面の帯電極性と反対の極性に帯電する物体を引き付ける
- 表面反発……気泡表面の帯電極性と同じ極性に帯電する物体を反発する
- 疎水性相互作用……水中に浮遊する油性の物体が気泡表面に集まる
界面活性作用
(マイクロバブルとウルトラファインバブル両方の作用)
<衝撃作用>
- 圧壊……外力(超音波など)を与えて泡を壊すときに衝撃波が発生
衝撃作用(マイクロバブルの作用)
マイクロバブル特有の作用
<ガス溶解促進作用>
- 高速ガス溶解……気泡内のガスを液中に短時間で溶かす
- 緩慢浮上……ゆっくりと上昇する
<反応促進作用>
- 反応促進……気泡内ガスとして反応性ガスを選び化学反応を促進させる
- 酸化促進……酸性ガス気泡を用い、水中の化学物質を酸化させる
酸化促進作用(マイクロバブルの作用)
- 殺菌促進……水中に難溶性のオゾン気泡を効率よく溶解し、主として水中に溶解したオゾンで殺菌する
ウルトラファインバブル特有の作用
<ガス貯蔵作用>
- 長期安定性……大きな刺激を与えなければ水中に長期間安定的に存在できる
- 輸送性……あらかじめ酸素以外のガスのウルトラファインバブルで満たしておけば、ある程度の刺激以下ならば輸送できる
- 鮮度維持……窒素ガスファインバブルを溶解させ水中への酸素溶解を抑制し低酸素状態を維持できる
<生理活性作用>
- 植物成長促進……種子の発芽促進や植物の生育を促進する
<光透過性>
- 透明性……可視光線を透過するので肉眼で透明に見える
- 光散乱性……可視光線より短波長の光を散乱する
生理活性作用(ウルトラファインバブルの作用)
ファインバブルの主な活用分野と用途
- ものづくり…部品洗浄、生産ライン・装置洗浄、シリコンウェハー剥離、洗濯機など
- 環境……土壌浄化、地下水浄化、排水処理、有害物分解、消毒・殺菌・滅菌など
- 農業……農畜作物の成長促進・収量増加・品質向上、鮮度保持、洗浄など
- 水産業……水産物の成長促進・収量増加・品質向上、養殖環境改善、鮮度保持など
- 食品……洗浄、鮮度保持、酸化防止、風味・香り・食感づけなど
- 医療……医療器具の殺菌・滅菌、など
- 美容……洗顔・頭皮洗浄、化粧品、シャワーヘッドなど
- その他……医薬品、船舶、製紙、日用品、エネルギー、鉱工業など